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【心理学】忙しい社会人向け!心理学で解き明かす集中力UPの鍵

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新年度が始まり、2カ月が経ちましたね。
4月から目標に向かって新しい学習を始められた方もいらっしゃれば、仕事において業務や環境が変化した方もいらっしゃることと思います。

勉強や仕事を効果的に進めるためには「集中力」が必要不可欠です。
集中力が身についていれば、忙しい日々の限られた時間の中で、仕事や勉強を効率よく進めることができます。またそれによって、時間の使い方もうまくなります。

とはいえ「すぐ気が散ってしまって集中って苦手…」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、誰もが身に付けたい集中力について心理学から考察してみます。

集中する時間には限度がある

いくら集中力の高い人でも、高い集中状態を維持するには限度があります。
集中力の持続時間の限界はどれくらいだと思われるでしょうか?

「15・45・90の法則」というものがあります。
この法則の数字は集中力を維持できる時間(分)を表しています。
人が高い集中力を維持できる時間は15分間です。

東京大学薬学部と民間企業が共同で実施した「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験」では、被験者を【60分間通して学習し続けるグループ】と【15分ごとに休憩を挟んで合計45分間学習するグループ】に分け、英単語を覚えてもらい、テストを実施し英単語の定着率を測りました。

結果はというと、学習直後のテストでは【60分学習グループ】の方が【15分×3学習グループ】よりも好成績でしたが、翌日のテストでは【15分×3学習グループ】が逆転し、一週間後も好成績を残しました。

またこの実験では同時に集中力に関わる脳波(前頭葉のガンマ波)を計測しています。
結果の脳波計を比べてみると、【60分学習グループ】では学習中数値が下がり続けているのに対し、【15分×3学習グループ】では15分間の学習中に数値は下がるものの、休憩後に高い数値に回復していました。
このことから、学習効果を長期的に定着させるためには休憩を挟みながら短時間集中して勉強するのが効果的であることが分かります。
この15分×3回の45分、そしてそれを2回の90分が集中力を維持する限界とされています。

集中力が続かない要因

①環境

集中力を維持するためには、周辺環境を整えておくことも重要です。
周囲が整理されていなかったり騒がしかったりすると、すぐに集中力は途切れてしまいます。
また体に合っていないデスクや使いにくいものも集中を妨げます。
これは目や耳や身体といった五感が余計な情報を取り込むことで、脳の認知機能の容量を無駄に占めてしまうからです。
集中力を高めるためには、なるべく余計なものが視界に入らないように整理整頓を心がけましょう。特にスマートフォンは実験で集中力を著しく奪うことが分かっていますので、片付ける方が良いでしょう。

②体調

言うまでもありませんが、体調不良では集中力を維持するのは難しくなります。
睡眠、栄養、適度な運動を心がけて、体調管理に勤めましょう。

③心理

悩み事や気がかりな事があるとなかなか集中できないものです。
こうした悩みは一旦紙に書き出してみることで整理することができます。
また、やることが多すぎる場合にも忙殺されて集中力が下がってしまいます。
そうした場合はタスクを細かく分解して優先順位を決め、マルチタスクではなくシングルタスクにして一つ一つに集中することが大切です。

集中力が維持できる時間は、思っているよりも短かったのではないでしょうか?
集中力が切れてしまうのはむしろ当然のことでした。
そして脳を上手に活用し休憩を挟むことで学習や仕事の効率を上げることができます。
長時間漫然と勉強や仕事をするのではなく、
15分刻みでタスクを整理して集中して取り組んでみましょう。

参考

朝日新聞『勉強時間は短い方が好成績?』
http://www.asahi.com/ad/15minutes/

関 一真

  • 心理

担当

京都四条烏丸校

所属

NLP™トレーナー、心理カウンセラー2015年より京都校、大阪梅田校にて心理学系講座を担当。優秀講師賞受賞。個人で心理カウンセラー、占い師としてクライエント様に相談援助を行う。日本語教師(日本語教育能力検定試験合格)、社会福祉士資格保有

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