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【心理学】人はなぜスポーツ観戦で盛り上がるのか?
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心理
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学習に役立つ豆知識・スキル
こんな方に読んでほしい
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スポーツ好きな方
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勉強の合間に、暇つぶしや息抜きがあるほうがいい方
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心理学・コミュニケーションに興味のある方
記事から得られること
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スポーツ観戦に熱くなるワケ
8月になり暑い暑い夏本番がやってきました。
今年の夏は例年以上の猛暑が予想されています。
体調には気を付けて、夏を乗り切りましょう!
そして、今年の夏は熱いスポーツイベントが盛りだくさんです!
そこで今回は「何故スポーツ観戦で盛り上がるのか?」を心理学の視点から考察してみます。
1.選手に同一化できる
スポーツ観戦をしていると、選手に対して自分を重ね合わせる心の働きが表れます。
この働きを心理学では「同一化」といいます。
この同一化は、親近感を感じたり共感できたりする選手に対しては特に強くなる傾向があります。地元出身の選手や、好きな競技や種目の選手、には親近感を感じますよね。
また、選手のこれまでの努力やストーリーを知っているとより共感は高まります。
テレビで観戦すれば、選手のプレイや表情がよりクローズアップされるので、選手への同一化はより高まります。
こうして高まった同一化によって、私たちは選手の緊張を感じて一緒に手に汗を握ったり、
勝った喜びや負けた悔しさ、そしてやり切った充足感を自分の事のように感じたりします。
こうした同一化はメンタルヘルスにも良い影響を与えることが分かっています。
ひたむきな努力、試合に臨む緊張感や集中力、結果に対する感情、
こうした選手の前向きな心に同一化することで、
私たちの心も励まされ「私も頑張ろう!」という気持ちが湧いてきます。
2.勝ち負けがハッキリしている
私たちの脳は曖昧な状態、よく分からない状態を嫌います。
はっきりしない態度やコミュニケーションに私たちはとてもストレスを感じます。
高校数学の不定方程式を解くときに、
何だか落ち着かない気分を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし現実の人間関係やコミュニケーションの多くは曖昧なものです。
お互いのグレーゾーンを探りながら、不定解を求めていきます。
答えを曖昧なまま保持できる能力は、ストレス耐性も含め重要なものです。
その点スポーツは勝つか負けるか、結果がシンプルでハッキリしていて、曖昧さがありません。
スポーツを観戦することで、普段の曖昧さから感じるストレスを発散することができます。
3.チームに一体感を感じられる
私たちの脳には集団を形成し維持する機能が備わっています。
共通点を共有する人たちに私たちは親しみや一体感を感じ、集団を形成します。
(出身地が同じ、国が同じ、人種が同じなど)
この一体感による満足感や幸福感は、オキシトシンという脳内ホルモンの分泌によります。
そして自分が一体感を感じる集団が例えばスポーツで勝利を収めると、
あたかも自分も勝利を収めたかのように感じます。
逆に敗北を喫すると、悔しさを共有します。
しかしこの一体感も時には暴走してしまう可能性があります。
私たちは自分の所属する集団を贔屓して価値を高く評価し、
そうではない集団の価値を低く見積もってしまう傾向があります。
これを心理学では「内集団・外集団バイアス」といいます。
サッカーのサポーターの暴動沙汰のニュースもこれに関連します。
「自分の所属する集団は素晴らしいのだから勝って当然であり、
そうでないのは何か不正があるはずだ」という心理が働くのかもしれません。
集団で仲間意識を感じることは良いことなので、
どこかで「相手も同じスポーツを愛する仲間だ」と大きな一体感を認識できると良いですね。
スポーツ観戦に熱中することは、私たちの人生に興奮や感動といった彩りを与えてくれます。
全力投球する選手たちに励まされることで、日常に前向きに向かうことができます。
連日の観戦で睡眠不足が予想されますが、
睡眠不足は熱中症のリスクを高めますので十分注意してくださいね。
もちろん学習を効果的に進めるためにも、スポーツ観戦は程々になさってください(笑)
参考
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関 一真
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心理
担当
京都四条烏山校
所属
NLP™トレーナー、心理カウンセラー2015年より京都校、大阪梅田校にて心理学系講座を担当。優秀講師賞受賞。個人で心理カウンセラー、占い師としてクライエント様に相談援助を行う。日本語教師資格保有(日本語教育能力検定試験合格)
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