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【心理学コラム】生みの苦しみ春風に乗せ
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「人」に関しての「ふ~ん」「へー」「ほっ」
北大阪急行が延伸された。
新しく、「箕面船場阪大前駅」と「箕面萱野駅」が加わった。
これまでは、
「千里中央行き」に慣れ親しんできたが、
「箕面萱野行き」になり
数日間は、違和感があったが
今や当たり前になっている。
風が強く吹く日があった。
風の影響により、大幅な遅延。
延伸先は、山へと続いている。
そんな影響が出ることは、全く予想だにしなかった。
また一つ学んだものだ。
近代の自然科学的、資本主義的、機械的な装いを帯びた私たちは、
「予想だにしないことを強く危惧する」傾向にあるように感じるが、いかがだろうか?
初夏のような日中の陽気を感じながら、本格的な春を過ごしている。
春は、たくさんのイベントがある。
春休み、お彼岸、イースター、エイプリルフール、お花見、新生活、卒業、入学、ゴールデンウィーク、こどもの日、母の日など目白押しである。
中でも、近年日本で催されることが増えてきた「イースター」に触れる。
ディズニーランドやUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の影響もあってか、「たまご(イースターエッグ)」や「うさぎ(イースターバニー)」をチラホラと見かけた。
そもそもイースターは、イエス・キリストの復活をお祝いするキリスト教の祝事だ。
日本語では「復活祭」とも呼ばれる。
キリスト教によると、キリストは十字架に磔にされ死に至ったが、その3日後に復活したとされている。
「復活」という奇跡は、キリスト教の多くの宗派にとって、
キリスト降誕を祝うクリスマスよりも重要な祝事である。
このような祝事も、柔軟に取り入れていく、日本人の寛容さには、頭が下がる思いだ。
そのうち世界中の祝事や祭事が、全て日本で行われるのではないかと冗談を言いたくなる。
日本は、伝統的に多くの文化や風習を取り入れてきた。
とある宗教学者が言うには、
こんなにも多種多様な宗教が信仰されている国は、世界でも日本くらいだという。
さらには、「私は無宗教だから」と言いながら「初詣」「えべっさん」「七五三」「お宮参り」「墓参り」「ハロウィン」「クリスマス」「お正月」などを卒なくこなしていくところも
日本人のとてもユニークなところである、と海外の学者の目には映るという。
米国の歴史家/社会批評家、モリス・バーマン氏は、自身の著書で日本を「神経症的な美しさ」と形容している。
私、個人としても実に見事な形容だと感心した。
そして、モリス・バーマンは著書の中で
数々の問題を踏まえつつ、日本こそが脱資本主義のモデルになりうると結んでいる。
私たち日本人は、伝統的な柔軟性と寛容さを引き継ぎながら、
新たなステージに来ているのかもしれないとイースターエッグを眺めながら感じた次第である。
クリストファー・ノーラン監督、映画「オッペンハイマー」はご覧になられたであろうか?
オッペンハイマーとは、
米国の理論物理学者であり、第二次世界大戦中に原爆を開発した「マンハッタン計画」を主導した人物で「原爆の父」とも呼ばれる。
このオッペンハイマーの半生を描いた本作は、
被爆国である私たち日本人にとって、センシティブなテーマであることもあり、
日本での公開が、世界公開から約半年遅れた映画である。
私は、このクリストファー・ノーラン監督の大ファンだ。
「メメント」「バットマン ビギンズ」「プレステージ」「ダークナイト」「ダークナイト ライジング」「インセプション」「ダンケルク」「インターステラー」「TENETテネット」など、
どれもが素晴らしい作品だと感じている。
そんな贔屓目もあるかもしれないが、この「オッペンハイマー」は、ぜひとも見ていただきたい作品であった。
ノーラン節ともいわれる、複数の時系列を交互に描く手法を使っているところがあり、
難解に感じる方もいるかもしれないが、とても見ごたえがあった。
著名な天才物理学者たちも数多く登場する。
私は、映画を観終わった後、しばらく席から立てなかった。
同じタイミングで席を立った、私の前を歩く二人組の年配女性がこんなふうに語っていた。
「途中から何とも言い難い涙が止まらなかった」
私もまったく同じ体験であった。
映画の話が続くが、
新海誠監督の映画「すずめの戸締り」をNetflixで視聴した。
劇中に何度も登場する祝詞のようなセリフがある。
かけまくもかしこき日不見(ひみず)の神よ
遠(とお)つ御祖(みおや)の産土(うぶずな)よ
久しく拝領つかまつったこの山河
かしこみかしこみ 謹んでお返し申す
私たち日本人が古くから行ってきた「神々への畏敬」「自然崇拝」「英霊崇拝」が現れているように感じた。
こういった伝統的な精神性も、改めて見直してみる必要がある時代なのかもしれない。
そう思わせてくれる見やすい作品であった。
そして、新海作品といえばRADWIMPSとのタッグで彩られる音楽も魅力的である。
RADWIMPSの野田洋次郎氏が不意に歌う、
恋の意味も手触りも 相対性理論も
同じくらい絵空事な この僕だったんだ
大人になる その時には 出会えているのかな
何万とある愛の歌 その意味が分かるかな
……
…
RADWIMPS「カナタソナタ」より抜粋
日本ではあまり馴染みがないが、
ヨーロッパでは「20世紀のウィリアムブレイク」と呼ばれる中東の詩人「ハリール・ジブラーン」が、こんな詩を詠んでいる。
ちなみに、ハリール・ジブラーンは、
マイケル・ジャクソンが生前に愛読していたとしても有名である。
あなたの痛みが殻を破る
あなたの智慧を覆うその殻を
果物の核(から)ですら割れねばならぬ
その内側に太陽を受け入れるには
だから、あなたは痛みを知らねばならぬ
あなたの人生に起こる毎日の奇跡
その不思議さを心に受けることができたなら
喜びがもたらすのと同じほどの神秘の力が
痛みの中にも見えるだろう
ハリール・ジブラーン
私たちは今、
科学の恩恵を受けて、宗教や精神性、映画やアニメ、歌や詩に容易に触れることができる。
果たしてそれらは別々に存在しているのであろうか?
私には、そうは思えない。
「予想だにしていないことの中から新しいことが生まれる」
私にはそう思えるのである。
日本の物理学者、野村 泰紀氏が述べていた。
「私たちは星のかけらである」と。
素粒子論や宇宙論が専門の先生から、このようなことが聞けることは、
私たちのこれからの可能性がまだまだ開かれていると強く感じる。
春は、「イベント」や「新しく〇〇」が多く、寒暖差もあり疲れてくる季節。
理想と現実の狭間で、悩み藻掻く者もいるだろう。
そんなときこそ、
「予測できないことによっての新たな可能性を」
「不慣れなことによっての新たな可能性を」
「未熟であることによっての新たな可能性を」
どうか信じてもらいたい次第である。
朝一番の太陽が、やさしく私を照らしてくれている。
かしこみかしこみ申し奉る。
夜の間に冷えたそよ風が、そっと身体に触れてくる。
祈りの合間に自然と心に浮かびあがる。
青い空に胸の高鳴りを感じる。
「やっぱり頑張ろう」
そう呟いていた。
心の旅は続く…
参考:
オッペンハイマー
すずめの戸締まり
RADWIMPS「カナタソナタ」:アニメーション映画『すずめの戸締まり』主題歌
ハリール・ジブラーン
野村 泰紀
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小林 厚志
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心理
担当
大阪梅田校
所属
脱サラ後、2016年に渡米、資格取得。大手社会人スクールにてNLP講座など担当。 心理学・心理カウンセリング・メンタルコーチング・コミュニケーション系の講師として登壇。年間登壇数150回以上。 パーソナルサポート事業ではメンタルコーチ/心理カウンセラーとして700件以上サポート。 「柔らかい人柄」と「ええ声」で瞑想ファシリテーターとしても活動。
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