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【心理学】春は不安になりやすい。不安とうまく付き合うには?
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不安を拭うやり方
新年度が始まりました。
新しい仕事や学び、生活や環境に大きな変化のあった方も少なくないことと思います。
私は個人事業主として心理カウンセラーをしていますが、 変化の多いこの季節に多いご相談内容が『今後に対する不安』です。
「これからどうしたらいいんだろう?」
「どうなってしまうんだろう?」
春は不安になりやすい季節でもあります。
こうした不安に、私たちはどのように向き合えば良いのでしょうか。
心理学や脳科学から考察してみます。
そもそも私たちは不安になりやすい
私たちの脳にある中脳には背側縫線核という部位があります。
この部位は、脳内でセロトニンという神経伝達物質を合成すると考えられています。
セロトニンは他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽など)や
ノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの情報をコントロールし、
精神を安定させる働きがあります。
この部位にはセロトニントランスポーターというタンパク質があり、
この部位におけるセロトニントランスポーターというタンパク質の密度が、
私たちがどれくらい不安になりやすいかに影響を与えているといわれています。
セロトニントランスポーターとは、神経細胞から放出されるセロトニンを、
神経細胞に再取り込みしリサイクルする役割を担っています。
セロトニントランスポーターの密度が高いと、セロトニンを脳内で活発に使い回すことができます。
つまりセロトニントランスポーターの密度が高いと、楽観的で不安を感じにくいということができます。
逆にセロトニントランスポーターの密度が低いと、神経質で不安を感じやすいということができます。
なお、セロトニントランスポーターの密度は、後天的に著しく増減することはほぼ無く、
遺伝的にその密度はほぼ決まっているようです。
セロトニントランスポーターの密度を決める遺伝子には、S(ショート)型とL(ロング)型の2種類があります。
S型では密度が低く、L型では密度が高くなります。
この2種類の型の組み合わせで、私たちは『SS』、『SL』、『LL』の3つのタイプに分かれます。
つまり『SS』タイプでは密度が非常に低くなります。
私たち日本人は世界的に見てS型の遺伝子の保有率が高く、
日本人の98%がS型の遺伝子を保有していることになります。
しかも全体の7割程が『SS』タイプで、『LL』タイプは全人口の2%程しかいません。
つまり、私たち日本人は遺伝的に不安を抱きやすい人種であるといえます。
これは、日本の自然災害の多い過酷な自然環境が影響を与えた結果であると考えられます。
心配性で不安を感じやすい方が、災害対策を講じやすく、生き延びやすかったためです。
逆にアメリカや南アフリカでは日本とは逆に『LL』タイプが多いようです。
こうした国は移民国家であり、リスクを取って新天地にチャレンジする、
不安を感じにくい人が生き延びたためであると考えられます。
不安とうまく付き合うには
上記からしても、私たち日本人はそもそも不安を感じやすいようです。
不安という感情は、無くそうと思っても無くなるものではありません。
そして、私たちが未来に対して備えるために必要な感情であるといえます。
だとすれば、不安とうまく付き合っていく必要があります。
怒りの感情とうまく付き合う方法に「アンガーマネジメント」というものがありますが、
同じくネガティブな感情である不安もマネジメントする必要があります。
①紙に書く
不安な気持ちを頭の中で考えていると、
同じことを何度もグルグル考えたり、関係のないことにまで不安になったりして、
どんどん不安が大きくなった経験はないでしょうか?
これは、頭の中で考える容量には限界があり、
それをネガティブな感情はすぐにいっぱいにしてしまうからです。
紙に書き出すことには、様々なメリットがあります。
・客観視できる
書き出して眺めることで、自分の気持ちを自分の外に取り出して検討することができます。
それによってこれまでになかった視点や発見を得られる場合があります。
・順序が生まれる
頭の中では順不同でぐちゃぐちゃだった不安なことも、書き出すことで順番が生まれます。
この順番がそのまま重要な順番とは一概には言えませんが、
それでも頭の中にあるよりはかなり整理されます。
・不要なものは破り捨てられる
書いていて気が付くかもしれませんが、書き出した不安の中には、
どうでもいいものや、今考える必要のないものが結構含まれています。
そうしたものは書いた紙を破って捨てるという動作を経ることで、案外スッキリします。
②不安になる時間を決める
不安な気持ちを0にすることはできません。
かといって四六時中不安なのでは、これもしんどいものです。
そこでオススメなのは1日のうちに30分とか時間を決めて真剣に不安になることです。
この時間以外で不安になりそうなときは、不安タイムのためにネタを取っておきます。
そして不安タイムに①のように紙に書き出し、不要なら破り捨てます。
30分なら30分経ったら、途中であっても必ず切り上げて止めましょう。
この習慣を取り入れることで、残りの23時間30分の不安を軽減することができます。
やってみると案外短時間で終わってしまうことに気が付くかもしれません。
不安を無くすことはできません。
むしろ不安が無いことは理想的とはいえません。
4月の不安にもある程度向き合ってマネジメントすることが必要です。
それをせずに無かったことにして闇雲に頑張ると、今度はいわゆる五月病がやってきます。
うまく不安と付き合っていきましょう。
参考文献
中野信子『シャーデンフロイデ』
シャーデンフロイデとは>
思考が変わると、未来が変わる。”実践心理学NLP”のご紹介
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関 一真
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心理
担当
京都四条烏山校
所属
NLP™トレーナー、心理カウンセラー2015年より京都校、大阪梅田校にて心理学系講座を担当。優秀講師賞受賞。個人で心理カウンセラー、占い師としてクライエント様に相談援助を行う。日本語教師資格保有(日本語教育能力検定試験合格)
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