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【心理学コラム】なぜ日本人はハロウィンを楽しむのか

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小林厚志の「やっぱり頑張ろう」

自称下町心理学者の小林厚志が、身近にあるのに何となく理解し難い「心」「精神」「意識」をテーマに、まるで街ブラかのような感覚で「ふ~ん」や「へー」をお届けします。
お勉強の合間の息抜きに、ごゆるりとお付き合いください。
※学者口調を意識したので敬語が省かれてることをご容赦ください。

9月の配信は、お休みを頂いた。
気にかけてくださった方々や、最後までお心を配ってくださった担当のMさんに、この配信を通して感謝の意を述べたい。

「10月といえば」と聞くと何が思い浮かぶだろうか?

「ハロウィン」という回答に、何の違和感もなくなった昨今だが、ハロウィンだからといって、特に何かをするわけではない世代も多いように感じている。

実際に、ハロウィンのことをヒューマンアカデミーのスタッフに聞いてみたところ、
40代のスタッフは「子供が保育園で…(または、小学校で…)」が多く、
30代のスタッフは「特に何もしませんでした」が多く、
20代のスタッフは「仮装して街に繰り出していた」が多かった。

Wikipediaで調べてみたところ下記の通りだ。

日本におけるハロウィンは、1980年代以降、各地のイベントでハロウィンにちなんだ仮装が導入されるようになった。

その後、1990年代後半より始まった、東京ディズニーランドのディズニー・ハロウィンをはじめとするイベントが各地で開催されたことに加え、2000年代後半より菓子メーカーが相次いでハロウィン商戦に参入したことなどを契機としながら、2010年代中盤にはSNSによって広まった。

Amazonや、ドン・キホーテなどの店舗でも、大人向けのコスチューム商品が10倍 – 数10倍の売れ行きを示した。同時期、店頭・街中でのハロウィン装飾が見られるようになったほか、コスプレのイベントとして日本式にアレンジされたハロウィンが行われている。

近年では幼稚園や保育園の恒例行事になっているほか、大人も仮装をして参加するイベントが大都市圏を中心に各地で行われている。


こう見ると、日本のハロウィンは、ごく最近のブームであり、ハロウィンに対する認識に、世代観の違い(ジェネレーションギャップ)があることを自然に感じる。

では、そもそもハロウィンの歴史は?

古代、島嶼ケルト人は、1年をライト・ハーフ(夏の季節)とダーク・ハーフ(冬の季節)に分けていた。新年の始まりはダークハーフの始まりである11月1日のサウィン祭であった。日没が新しい日の始まりを意味していたので、このサウィン祭は毎年、現在の暦でいう10月31日の夜に始まった。

10月31日の夜は、この世と霊界との間に目に見えない「門」が開き、この両方の世界の間で自由に行き来が可能となるとされ、アオス・シー(妖精やエルフなどの超自然的な種族であり、妖精の塚の人々を意味する)や、バンシー(人の死を叫び声で予告する妖精)・プーカ(妖精あるいは妖魔の一種)らがこの世界に迷い込むと信じられていた。中には、悪霊も一緒にやって来て、作物に悪い影響を与えたり、子どもをさらったり、現世の人間たちに悪いことをするといわれていた。そこで人々は、身を守るために仮面や仮装をして仲間に見せかけたり、魔除けの焚き火を行った。

ドルイド(ケルト人社会における祭司であり、宗教的指導、政治的指導、公私の争い事の調停など、ケルト社会に重要な役割を果たしていたとされる)たちが、かがり火を焚き、作物と動物の犠牲を捧げた。ドルイドたちが火のまわりで踊るとともに、太陽の季節が過ぎ去り、暗闇の季節が始まった。11月1日の朝が来ると、ドルイドは、各家庭にこの火から燃えさしを与えた。各家庭は、この火を家に持ち帰り、かまどの火を新しくつけて家を暖め、悪い妖精などが入らないようにした。

サウィン祭が死者や祖先崇拝との関連を示す強い証拠はないが、当初5月13日であった万聖節(諸聖人の日)が11月1日に移動したことや、万霊節を11月2日に祝う事としたのは、アイルランドや英国のケルト人の影響とされる。

19世紀になりアイルランドおよびスコットランドから大量に移民がアメリカへ到着し、ハロウィンが本格的に定着しはじめた。ハロウィンは19世紀半ばまで特定の移民共同体の内でだけの行事として行われていたが、徐々にアメリカの「主流社会」に受け容れられ、アメリカの年鑑に祝祭日として記録された。20世紀初頭には、社会的、人種的、宗教的背景に関係なく、アメリカのほとんどの人々に受け入れられ、東海岸から西海岸へ広まった。 

 

1950年代には「Trick or Treat(いたずらか、お菓子か)」の合言葉が製薬会社や映画会社、テレビ局などの仕掛けもあり普及した。そして、世界各国で軍事的・経済的に活動するアメリカ人が増えるのにともない、そうした場所で、アメリカ風のハロウィンの風習も広がることになった。

カナダでは、製菓会社がハロウィン用の宣伝を1860年代から始め、1980年以降には現在のハロウィンと差異はなく、クリスマスの次に大きなイベントになっていった。


上記のほとんどをWikipediaから抜粋したが、ハロウィンを知ろうとすればするほど、日本での「お盆」や「正月」、「バレンタインデー」を連想することになったのではないだろうか。

こうした文化や言語が違うにもかかわらず共通点や類似性を見いだせることは、とても興味深い。

認知心理学において私たちは、記憶における類似性認知メカニズムの働きをもつ。これは、私たちが、ある経験をするときには、類似した過去経験が自動的に想起されるというものだ。そのとき、現在の経験と過去経験の類似性が高いほど、既知感(既に知っているという感覚)が高まる。

そして、ある体験に対して、とても強い既知感があり、未経験であることを認識している(エピソード記憶や関連知識などに基づいて、例えば「この場所に来たことはない」など)と、これが不思議な出来事として体験される。いわゆるデジャヴュ現象だと理解されている。

このように類似性認知メカニズムは、デジャヴュ現象のような不思議な体験から、何気ない日常的な体験に至るまで、私たちによく見られる働きだろう……と、このまま類似性認知メカニズムや認知バイアスについて、筆を進めようと思ったのだが、ふと閃いたことがある。

「 閃き」というのは、実に興味深い現象だ。

あなたはどんなときに「閃き」が訪れるだろうか。「そのことから注意が逸れた時に閃いた」という人が多いように感じるが、私もその1人だ。つまり、納期に追われて「書こう!!」「書こう!!」としている時ではなく、「ダメだ、一旦、風呂にでも入ってこよう」この時である。

まさに、風呂に入ってる時、散歩してる時、料理してる時、何気ない会話を楽しんでいる時、など、「気にかけていることから気が逸れた時に、アイディアが湧いてくる」ということである。

実にこれは、心理療法によるセラピーが秘密裏に成功しているプロセスにも見受けられる。深い悩みを抱えているクライアントが、その悩みから気が逸れた時(他のことに気が移った時)に、新しい世界観や解決への糸口を見つけるのである。

左脳がつかさどるのは、話す、書く、計算する、分析するなどであり、科学的な思考が得意である。一方、右脳がつかさどるのは、閃やイメージ、芸術性、創造性などであり、直感的にものごとを捉えることが得意である。このような脳の機能を踏まえると、左脳的な働きから、右脳的な働きにシフトした時に、閃きが訪れると言えるだろう。

現代人は左脳に頼りすぎているとも言われている。瞑想などを通して、右脳を使う体験を個人的にオススメする。という話を閃いたのではなく、この辺りの話は、またの機会にさせて頂こう。

ハロウィンについて、Wikipediaを閲覧してる時に、どこか懐かしい感覚があった。特に気にも止めず、お盆や正月、バレンタインデーに類似性があるからだと解釈していた。

「古代、島嶼ケルト人」……、

島嶼というのは、島々を指す言葉であり、島嶼ケルト人というと、今で言うアイルランドやウェールズ周辺に住んでいたとされる人々だ。ヨーロッパ大陸に住んでいたケルト人とは、違う文化を持っていて、その歴史は古いとの説があり、「島のケルト」と「大陸のケルト」を分けて考える。島のケルト人が、現存する国の中で世界最古の国である私たちの日本と関わりがあったかもしれないという話をぼんやりと思い出してきた。

(ちなみにだが、日本の建国は紀元前660年2月11日に初代天皇である神武天皇が即位された日である。2023年現在で、建国2683年になる。)

確か…シルクロードを通じてケルト人が日本にも文化を伝えていた…このような記憶がうっすらあるが…現代の情報ネットワークの力を借りよう!!

まずはYouTubeでケルト人を検索した。ご存知の方も多いだろうか、登録者数も多く手馴れた動画を多数配信している「TOLAND VLOG」というチャンネルに行き着いた。過去に何度か見たことがある気もしたが、勉強させていただく気持ちで拝見した。

……。

驚いた。ものすごい情報量である。これは真実か真実でないかよりも、論理的に組み立てられた構成や積み上げてきた知識の量に敬意を払うべきだろう。

TOLAND VLOGによると(興味のある方は、実際に動画を見て頂きたいが)島のケルト人は、日本の縄文時代に、(シルクロードよりも遥か昔、5000年〜7000年前頃の話)日本人と交流があったとのことだ。島のケルト人も縄文時代の日本人も互いに自然崇拝であった。

しかも、交流があった証拠として、日本にある巨石信仰が挙げられていた。実際に今も各地に残る巨大な石に刻まれた文字が残っている。この交流を支えたのが、ラピュタ人という航海技術に優れた民族であったという話も興味深かった。

日本の国土、陸だけを見ると、世界で61位の大きさだが、海まで入れる(排他的経済水域)と、世界で6位の大きさになる。このような海洋国家の航海技術が、縄文時代からあったとしても個人的に違和感はなかった。

または、日本人に航海技術がなくとも、自然豊かな、特に水が豊富にある日本に、航海技術を持った民族が日本を拠点とすることは納得がいく。実際に、5〜7000年前は、現在よりも海面が平均で8〜10m程高かったそうである。踏まえると遺跡や巨石が内陸にあることの説明が付く、また気温も現在よりも暖かかったことから、アメリカのアラスカとロシアの間にあるベーリング海峡が凍ることなく、北極海ルートで、日本からアイルランドやウェールズまで行けたということだ。

もし、これらが真実であれば……。。。

「私たち日本人がハロウィンを行うということは、とても自然なことである。」

島のケルト人と交流があったということは、交配をしている可能性もあるだろう。そうなると、先祖がケルト人という日本人もいる可能性があるということだ。

先祖が行った祭りを、今、行うことは、自然なことであろう。

私は盲目的なところもあるが、信じていることがある。それは、「ものごとには必ず意味」があるということだ。この「意味」というのは、思いもよらぬ形で語られることもあれば、こじつけているように感じることもある。

ただし、この「意味」は、私たち人類が、この地球や宇宙、もしくは世界を共に生きていくために重要な役割を果たす。この「意味」が果たす役割は、私たち人類に普遍的な「繋がり」を生んでいると考えている。

「人が一人では生きていけない」という普遍的な法則の中で生み出した、「意味」を持つというアイディアは、人類の大発見であったと共に、私たちは繋がっている(一人ではない)という感覚を生み出している。

先月の配信は、お休みを頂いた。スランプだった。左脳の使いすぎで、一切アイディアが出てこなかった。

現代社会は、左脳的な活動をしなくては、生きていくのは困難であろう。ただし、左脳的な活動だけでは、疲労がたまり、創造性を失い、創造的な「意味」や超越的な「繋がり」を感じにくくなるだろう。

おかげさまで、右脳的な活動の代名詞である、お絵描きを体験した。心の赴くままに、絵を書いた。

今月はハロウィンがやってくる。

このような考え方や生き方を押し付けようとするつもりはさらさらないが、ほっといてもやってくるハロウィンという一日。

「若者のイベントだ」、「企業のためのイベントだ」、とするのではなく、私たちの先祖との繋がりや、古くからの交流してきた想いへの繋がりを想像し、右脳的な活動(家族や知人とハロウィンに因んだ絵を描いたり、料理をしたり、暖炉を囲んでボッーとするようなこともいいだろう。もちろん、仮装をして普段とは違う自分になるなどもいいだろう)をする日として、楽しんでみてはいかがであろうか?

来月の配信に向けて、創造性を高めるために海を見に行こう。

いつも寛容に受け止めてくれる読者の皆様、編集を担当してくださるMさん 
いつもありがとう。

どんなふうにハロウィンを過ごすか想いを馳せながら、
「やっぱり明日も頑張ろう。」

心の旅は続く…。

参考サイトURL

YouTubeチャンネル「TOLAND VLOG」
https://www.youtube.com/@TOLANDVLOG

ウィキペディア「ハロウィン」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3

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小林 厚志

  • 心理

担当

大阪梅田校

所属

脱サラ後、2016年に渡米、資格取得。大手社会人スクールにてNLP講座など担当。 心理学・心理カウンセリング・メンタルコーチング・コミュニケーション系の講師として登壇。年間登壇数150回以上。 パーソナルサポート事業ではメンタルコーチ/心理カウンセラーとして700件以上サポート。 「柔らかい人柄」と「ええ声」で瞑想ファシリテーターとしても活動。

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