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【心理学コラム】自分の「心」を成長させるためには
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心理
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「人」に関しての「ふ~ん」「へー」「ほっ」
小林厚志の「やっぱり頑張ろう」
自称下町心理学者の小林厚志が、
身近にあるのに何となく理解し難い「心」「精神」「意識」をテーマに、
まるで街ブラかのような感覚で「ふ~ん」や「へー」をお届けします。
お勉強の合間の息抜きに、ごゆるりとお付き合いください。
※学者口調を意識したので敬語が省かれてることをご容赦ください。
心の成長
大人の成長
今、僕の身長は195センチである。
当然、この世に生まれたときはこんなに大きくなかった。
52センチ2900グラム。至って平均的だった。
年に約8センチ程度、約18年にわたって成長した結果だ。
こうした子供から大人になる成長のモデルは、ピアジェやボウルビィ、フロイト、エリク・エリクソン、ハヴィガーストなど多くの心理学者たちが示してきた。
身体とともに心も成長する子供から大人の成長は、120年余りの心理学の歴史の中で数多く提唱されている。
一方、ここ数年の心理学の流れは、大人の成長を取り扱ったものが多くある。
ロバート・キーガン、クック・グロイター、テリー・オファロン、ビル・トルバート、ケン・ウイルバーなどが代表的だ。
そして彼らに言わすと、大人~大人の方が、子供~大人よりも、成長具合は高い説もあるぐらいだ。
そしてどうにも、私たちの心や意識は、生涯成長できるようだ。
世界が変わる
小学生の時、母親に「あの踏切は、中学生になるまで1人で渡ったらダメよ」と言われていた。
中学生になるまで待てたかは覚えていないが、1人で踏切を渡った時の「なんにもないやん!」をよく覚えてる。
母親なりに子供が遠くへ行かないように機転を利かせてくれたことだと、今となれば容易に想像がつくが、どれだけの間、あの踏切を1人で渡ると、なにか別の景色が見えると期待していたことか。
思い込みとは時に残酷なものだ。
但し、その日以来、僕の行動範囲は拡がり、少しだけ背伸びをするようになった気がしてる。
心の成長は、何を意味するのか?
いくつかの要素を挙げてみよう。
「前は知らなかったが、今は知っている」
「前はできなかったが、今はできている」
このような成長を水平的成長という。
水平的成長は、知識やスキルの成長を指し、書籍を読んだり、セミナーに通ったり、
資格を取ったりするなどの努力で、新たな知識やスキルを身につけること。
「前にも観た映画だが、今はちがった捉え方ができる」
「前と同じ出来事だが、今は特に腹が立たない」
「同じ道を歩いているが、今はとても美しく感じる」
このような成長を直線的成長という。
垂直的成長は、知性や意識といった内面の成長を指し、考え方や見方などが変化することで、人との関わり方や発想、話し方など様々な面に変化をうむこと。
さらに心や意識には状態がある。
些細なことが気になり、集中を欠く状態から、さも全てと繋がり、さも全てに気づいているかのようなフロー(ゾーン)な状態までである。
つまり、ここに書いたのは1部だが、心の成長をさらに要約すると、
「学んで」
「広い視点で」
「気分よく」
を続けることだと言える。
たまに、数年前の自分と今の自分を上記の尺度で比べてみてほしい。
①数年前に比べて今の自分は何を学んだか?
②数年前に比べて今の自分のどの辺が寛容か?
※広い視点で物事を捉えられると人は寛容になる。
③数年前に比べて今の自分の精神状態はどうか?
①②に関しては、成長を実感する人が多いだろう。
一方③に関しては、肉体的な健康状態と同じような性質があるため、今の心の状態の方が低く感じる人もいるだろう。
①②は成長していても、③がよくないと成長を実感できなかったりするのだ。
またその逆も言える。
行きつけの中華料理屋がある。
「またきてや」
この店名のせいか、ついついふらっと寄ってしまう。
気さくな大将がものすごいスピードで料理を作ってくれる。
「まいどなにしましょ?
「ハイボールと餃子」
「あと唐揚げ単品で」
何も変わらない景色にいつもの空気が流れる。
ふと厨房に目をやると、いつもホールにいるお姉さんが会釈をしてくれた。
「厨房のお兄ちゃん休みかな」
ハイボールも進み、いい気分で大将に聞いた。
「いつものお兄ちゃんは?」
「独立してん」
「寂しいけど、お互い頑張らなな」
人の成長速度が同じであることは、ほとんどないだろう。
ましてや、心の成長は、肉体的成長よりも個性があるだろう。
人は成長を繰り返す。そして、その度に別れや出会いも繰り返すのだ。
どれだけ長い時間を共にしたとしても、お互いの成長具合で交わらなくなることもあるだろう。
「またきまーす」
「おおきに」
大将の笑顔が印象的だった。
そう、僕たちはまた、お互いに成長したところで出会うんだ。
「やっぱり明日も頑張ろう」
心の旅はつづく…
参考文献・参考サイトURL
なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践
ロバート・キーガン , リサ・ラスコウ・レイヒー
https://amzn.asia/d/5uIzpeu
なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか――すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる
ロバート キーガン (著), リサ ラスコウ レイヒー (著)
https://amzn.asia/d/5eq7eqW
小林 厚志
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心理
担当
大阪梅田校
所属
脱サラ後、2016年に渡米、資格取得。大手社会人スクールにてNLP講座など担当。 心理学・心理カウンセリング・メンタルコーチング・コミュニケーション系の講師として登壇。年間登壇数150回以上。 パーソナルサポート事業ではメンタルコーチ/心理カウンセラーとして700件以上サポート。 「柔らかい人柄」と「ええ声」で瞑想ファシリテーターとしても活動。
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