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【日本語】「ござる」は使わないの?外国にルーツを持つ人たちの日本語勉強法
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日本語教師
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日本語教師養成講座受講生・修了生
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外国で日本語を学ぶ、とある大学生のエピソードをご紹介します。

飛行機の乗り継ぎがなく、寒くなく(暑いのはOK)、天気が良くて海がある街、という条件で選んだ留学先。
選んだ大学は、様々な国から留学生を受け入れている学校でした。
今回は、アメリカで日本語を学ぶ留学生のエピソードをご紹介します。
私が通っていた大学では、専攻するコースによっては、母国語と英語以外の外国語の授業を選択します。
たまたま、社会学のクラスで仲良くなった韓国人の友人から
「日本語クラスで提出しなくてはいけない作文の添削をしてほしい。」と頼まれました。
その友人によると、日本語のクラスをとる韓国からの留学生は多く
その理由は「文法が似ているから。」だそうですが、発音は苦労していたようです。
早速、作文を見せてもらいました。
漢字も積極的に取り入れていて、努力が分かります。
ですが…古い!
漢字旧字体が混じっていたり、明治時代を彷彿とさせるような、固い言い回しだったり…。
「どんな本を見て、この文章を書いたの?」
「韓国から持ってきた日本語辞書や、授業で使う教科書、図書館で借りてきた本だよ。」
※20年以上前のお話しです。インターネットが普及し始めた頃だったので、ネットで検索することは、まだまだ一般的ではなく、図書館へ行って調べるのがお決まりでした。
「見てみる?」と取り出した『図書館で借りてきた本』を見てびっくり!
表紙を見るだけで「古い本」だということが分かります。
ページをめくって見てみると、やはり、一般的に使われている日本語とは言い難い文章が続いています。
何はともあれ、添削です。
まずは、漢字からテコ入れです。
旧字体を新字体に変え、更に難しい漢字は、平仮名に変えます。
そして、固い言い回しもやめて、私たちの年代にとって自然な言い回しに変更です。
「日本人に書いてもらった、と明らかに分かると、先生から減点されるか、ひどいと再提出になってしまう。」
とのことだったので、ところどころ、不自然な部分も残します。
「なんで、この漢字に直したの?」
「本には書いてあるのに、『ござる』は使わないの?」
「どうして、この動詞は、この形に変わるの?」
直すたびに出る質問に対し、英語で説明するのは、とても難しかったのを覚えています。
外国にルーツを持つ人たちが、今までどのような本や教材を使って日本語を勉強していたか、というのを知ることは、大切なことだと、このエピソードを思い出します。
国によっても、いろいろと違うことでしょう。
もし、機会があったら、聞いてみてください。
興味深くも楽しいエピソードに出会えるかもしれません。
井谷 年江
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PC
担当
浜松校
所属
米国留学から帰国後、広告代理店に勤務し、企画制作の仕事に従事。その後、印刷関係会社で、DTPやWEBデザインの職を経験。さまざまな「PC操作に困っている人」に出会い、なんとかしてあげたい気持ちを抱えていたら、いつの間にか講師という職に出会いました。日本語教師養成講座修了生でもあり、浜松校受講生さんのサポートもしています。
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