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修了生インタビュー

【修了生インタビュー:キャリアコンサルタント】総務人事の仕事から、地域若者サポートステーションの相談支援員へ

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受講

山田 浩美 さん

今回はキャリアコンサルタント修了生:ちた地域若者サポートステーションの相談支援員の山田浩美さんと、ちた地域若者サポートステーションのセンター長でありヒューマンアカデミーのキャリアコンサルタント養成講座のサブ講師も務める井戸千尋さんに、地域若者サポートステーションのお仕事について聞いたインタビューを、アシストのススメでもご紹介させて頂きます。
(出典:リーダーのメモ帳:https://haa.athuman.com/media/psychology/career/1740/

井戸センター長にインタビュー

地域若者サポートステーションとは

地域若者サポートステーションは全国に177箇所(サテライト会場も含む)あり、厚生労働省の事業にあたります。ちた地域若者サポートステーションは愛知県労働局が委託を受け、運営をNPO法人ICDSが運営をしています。事業は15歳から49歳までの未就労者の就労支援、また仕事されている方で週20時間以下の雇用保険のついていないアルバイトの方・単発バイトの方も対象。ご家庭の事情で働きながらでないと学校に通うことができない夜間や定時制の学生、学校の卒業見込みの3ヵ月前の学生に対して就労支援を行っています。利用者の多くはハローワークや図書館、市・町役場のリーフレット設置、また各地域の広報誌記載、また地域連携先からの紹介などを通じて制度を知り利用いただいています。

ちた地域若者サポートステーションでは実際にどのようにサポートをしていますか

学生の頃にアルバイトなどしたことがあるかないかによってもサポートの仕方が違います。また今まで何に興味を持ってきたか、学んできたかなど、ご自身の好きなことや話しやすいことを話していただき自己理解を深めていただく。いきなり仕事やキャリアについて話そうとしても目的意識が希薄であったり、自分のことを話すことをためらう方も多い中で関係を構築し心を開いていただくことからまずははじめます。自己理解を深めて職業理解に入っていくのが大まかな流れになっています。そして求人票の見方、応募の仕方、履歴書・職務経歴書の書き方、面接の仕方を学んでいただきます。また個人の課題、例えばパソコンのスキルやコミュニケーション能力を学ぶプログラムやオンラインを使った職場体験なども実施し応募に向けた支援・動機づけをしています。サークルという名称の就労に対して必要な座学・知識講座やコミュニケーションスキルUPについての講座も実施しています。以前はビジネスマナーなどがその類でしたが今はその手前の挨拶の仕方、相手の目を見て挨拶するメリットとデメリットやグループワークを通して人との関わり方、受け身ではなく自ら声をかけるなど細かな、でも仕事をするうえで重要なことも目的を理解し、課題に気づいてくよう取り組んでいきます。就職された後も就職がゴールではなくその後の定着や働き出してからの課題解決の相談がサポートステーションの業務に含まれています。就職後も定期的な面談を通して職場で困ったことがないか確認し一緒に解決方法を考えたりアドバイスしたりしながら末永くサポートしていくお仕事になります。

ちた地域若者サポートステーションならではの特徴は

利用者のかたの課題に向き合うためには環境を整えていくことなど地域連携が必要で、例えば、ちたサポと他の連携施設を繋げるのではなく、人と人を繋げるという具体的な対応をしなければ若年者の抱える複合的な課題についてのサポートは難しいと感じており、支援対象者に対して様々な専門分野のかたが関わることが大切だと考えています。実際それが同じ就労支援施設でサポートを行っているところであっても役割分担を話し合い、就労に向けて様々な個々に合わせたサポートが出来るようにしています。キャリアコンサルタント養成講座で資格取得のために学んできたスキルの活用に加えて、より関係構築が難しい就職に対して一歩踏み出せない・躊躇している方にも心を開いて、安心感を持ってもらうことに一番注力しています。信頼関係を作ることにフォーカスしそれができてからはじめて就職に向けてのサポートをスタートしています。

井戸センター長のもう一つの顔「ヒューマンアカデミー名古屋校のキャリアコンサルタント養成講座のサブ講師」から 受講生へのメッセージ

キャリアコンサルタント養成講座の学習は自分の人生でちょっと先行きがモヤっとしていたものがスッキリした景色に変わる学習だと私は思っています。学んだスキルを周りの支援に活用する前に、自分のキャリアについてまず向き合い、言葉や言動についても気を付けるようになることで曇りがはれ視界がクリアになっていくように感じます。私はキャリアコンサルタントになる前に若者の自死の増加、不登校の増加、事件の被害者、加害者が増えていることについて気になり、どうしてなのか考えることが多くなっていき自分の残りの人生でできることがあれば役立てたいと思っていました。キャリアコンサルタントの資格を取得し現場に携わる機会を経て今思うことは、きちんとした知識やスキルがないと役立てないことや、サポートが出来ない可能性があるということも分かりました。サブ講師として授業に入る中でキャリアコンサルタント養成講座の受講生たちは最初の頃は緊張からぎこちない世間話のような会話から、修了間際には根幹を把握し真髄に迫ったキャリアコンサルタントの視点を意識して話せるようになっていかれています。資格取得しキャリアコンサルタントとしてさまざまな方と出会いに関わる中で縁あってであったクライアントさんが元気になられたり、イキイキと働けるように多くの選択肢に気づいていただけるキャリアコンサルタントを目指して成長してほしいと思っています。

修了生:山田相談支援員にインタビュー

キャリアコンサルタントになるきっかけは

自分のこれまでのキャリアについて、このままでいいのか?将来自分のキャリアをどのように活かしていくことができるのか?について考えていた頃に国家資格でキャリアコンサルタントという資格があることを知ったことがきっかけです。当時は総務人事の仕事についていて現職にも直ぐにでも活かすことができる学びになるかもしれないと考え受講しようと決めました。また、コンサルタントというキーワードからキャリアで何か役にたつことができるのか?など漠然とした興味だったことを記憶しています。授業では同じ資格取得を目指すクラスメイトから刺激をもらいながら一緒に学ぶことができる大変良い環境でした。修了まで毎回確認テストがあり、学んだことをしっかり身に付けるシステムで、分からないことも直ぐに聞いて解決できました。キャリアコンサルタントの資格取得後も1年間はまだ総務人事の仕事を続ける中で学んだスキルは良い影響を与えてくれました。けれども人事としてキャリアについて相談を受けることや、メンタル不調でなかなか仕事に向き合うことが難しい方とのかかわりを通してそのような方々が会社を辞めた後、どのように仕事に就いていったのか、という思いが強くなり1年後にNPO法人ICDSに転職しました。

ちた地域若者サポートステーションの仕事で印象に残っていることは

ちた地域若者サポートステーションの仕事で印象に残っていることはこれまでたくさんあります。その中でも利用者様について印象に残っていることと言われると、私が担当を持つようになってまだ日が浅く、どの利用者様とも向き合うことに毎日が全力投球で訳が分からず手探りでドキドキしていた頃に、面談中ずっと下を向いてうなずくだけで、なかなか心を開いていただけず、話もしていただけないということがありました。どうしたら言葉を発してくれるんだろう。と考えると冷や汗も出ますし、長い長い相談時間だったと感じていたことを思い出します。だから余計に印象に残っているのかもしれません。その方は難関国家資格を目指していたけれども落ちてしまい、心が折れ、仕事をする意義も見いだせず、自分の殻に閉じこもっている状態でした。それでも何度か相談を重ねていく中で興味があることを話し出してくれたことがきっかけとなり、少しずつ関係性を築くことができていったような感じがします。さらに面談を重ねていくと、やはり資格の事が諦めきれない、でもまたそのための負荷もかかるし、かけたからと言って同じ結果になるだろうと思うと躊躇してしまう。という想いがわかりました。「もう一度本気で挑んでみてもいいんじゃないかな。今度は1人で頑張るのではなく、一緒にやっていこう。ダメだったらダメで結果が出たところで就職を目指そう」という約束をしました。若者サポートステーションは仕事に就くサポートをしているところなので、そのことからは遠回りの方法かもしれません。そして次の失敗がさらに自信を失うことにもなりかねないということも想定されます。それでももやもやを抱えて立ち止まっているよりも、一度きりの人生なので悔いのない生き方をした方がきっと納得がいくだろうという思いが利用者様と同じだったと思います。試験までは面談の時間を使って、勉強の進捗を一緒に確認したり、取り組むことで体調面やモチベーションの維持をするための方法など状況を細目に確認しながら私ができることでサポートしました。残念ながら合格することはできなかったのですが、その後、約束通り、利用者様の方から働いたことがないので自信がないことからサポステのプログラムのひとつでもあります職場体験の希望があり、一歩踏み出すことができました。偶然かもしれませんがその仕事に興味を持ち、体験先企業様からも、もう少し長くやってみないか。とお声掛けいただき、そこからは加速して派遣で働くことになり、体力も自信もつけ、ご本人の頑張りもあり更にそこから1年足らずで正社員へとあっという間にステップアップしていきました。自分のことのように嬉しかったことは今でも思い出されます。それでもサポートステーションの仕事は仕事に就かせて終わりではないので、定着・自立までがお役目なので引き続き見守り続けています。

地域若者サポートステーションの仕事の魅力は

地域若者サポートステーションでの仕事の魅力は、利用者様も私達相談員も「きっかけや、気づき」の機会があることで相互作用が働いて日々成長ができることだと思っております。人にはこれまで生きてきた様々な環境や色々な境遇の違いがあります。そのような中で地域若者サポートステーションというご縁から、相談を通して相談員との信頼関係を築きながら自分自身と向き合うことで、少しでも前向きに動いていけるようになったり、これまでとは違う考え方ができるようになったことで世界が広がって勇気を持って踏み出してみようとする方もいらっしゃいます。このことは相談員にも同じことが言えます。利用者様の気持ちやお考えを聞かせていただく中で、自分の足りない部分に気が付き、相談員としてまだまだだな・・・と落ち込むこともあります。その時は、先ずは自分自身がしっかり自分に向き合い、他の相談員の方々に相談をして利用者様との相談の進め方などアドバイスをいただいたり、時には他機関の方にもアドバイスをいただくこともあります。さらに力不足と感じていることについて知識を深めてみることで視野が広がったり、起動修正したりという逆にキャリアコンサルタントとしてパワーアップできる機会になることもあります。私自身は大学や高校でもキャリアコンサルタントとして仕事をする機会もあることから、サポートの形には様々な方法もあり、違いを感じている中で、地域若者サポートステーションでは、幅広い年齢の方と何度でもお一人お一人とじっくり向き合い、一緒に考えていきます。利用者様の少しの部分でも人生に関わることになる、影響のある怖い仕事だと日々思っていることからエネルギーを想像以上に使います。それでも利用者様が、前回相談に来た時よりも少しだけ笑顔が出ていたかな。今日は挨拶の声に元気があったな。相談が終わった後に「話したことでモヤモヤがスッキリできた」と仰っていただいたり等々・・・。小さなことでも何かが変わるだけで嬉しいと思える瞬間があります。そういったことの積み重ねがあって、徐々にやりがいを感じられるようになるという魅力ある仕事だと思っております。

講座修了、試験合格後、実務についてからが本番のようですね。山田さんの今後のご活躍を心から願っております。

参考

資格取得後、5年ごとに更新が必要なキャリアコンサルタント。ヒューマンアカデミーでも
3種類のコースがあり、2025年2,3月にも各地で実施予定です。(お申込みは開催2週間前まで)
詳しくはこちら
ご相談は、各校舎にてお気軽にお問合せください。

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